昨今は、日本企業のグローバル化・海外進出が拡大してきました。
これに伴い海外勤務をする機会が増えてきました。
私はヨーロッパに海外駐在をした経験がありますが、その経験の中から海外勤務に向いてる人と向いてない人の特徴をまとめてみました。
今後、海外勤務を目指すひとは、是非とも参考にして下さい。
知的好奇心がある
新しいことを知りたい、体験したい、学びたい。そういう気持ちがある人は、その国の文化や制度を積極的に吸収することができます。
国の成り立ちや、宗教観、それからその国の経済政策など、その国に住んでいると、インターネットの文字情報だけでは得られないような、生きた教材がたくさんあります。
現地語の勉強もそうです。色んな事に興味を持って、生活の中で楽しむことができると、毎日が充実しますし、その国への愛着が自然とわいてきます。
その延長で友達が出来たり、会社の同僚との会話も弾み、仕事も円滑にこなせるようになります。
その国をよく知り、楽しむ!これは駐在員として、非常に大切な精神です。
ポジティブ(前向き)
海外は、いつも楽しいことばかりではありません。
時には、予期せぬトラブルや、仕事でも大変なことが起きます。
そういう時に、それらの経験を「日本では味わうことのできない貴重な経験」という様に、前向きにとらえることが出来る人は、大きく成長することができます。
起きたことは、どうしようもないので、常に未来志向で考えること。
かの有名なエジソンの言葉に、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」というものがありますが、まさにこの精神は大事です。
いちいち凹んでいると、成功はますます遠ざかります。
この点は、宗教の影響もあるのでしょうか・・・外国人は割とポジティブな性格のひとが多いです。
私自身もその影響もあってか、より一層ポジティブになったような気がします。
最近は、日本に再適応してきましたが、帰国当初は、ちょっとテンション高めな人になっていたような気がします(笑)
環境適応力が高い
当たり前ですが、日本と海外では環境が全く異なります。
最初は文化や言葉も分かりませんし、周りの人が何を考えているのか、本当に分かりません。
日本ではこうだった!と主張するのではなく、ここ(現地)ではこういう風にやるんだね。という感じで、現地のやり方に敬意を示し溶け込める人は強いです。
環境適応能力が低い人は、自分のやり方に固執し、「こうでなければならない!」という思いが強いです。
そういう思いが強いと、それが満たされない現状にものすごくストレスを感じてしまいます。
うどんがないならパスタを食べる。こういった切り替えが大切なんです。
仕事においても、やり方が日本とは全く異なります。
例えば、日本ではプロジェクトを始める前に、万全の体制を構築してから始めるとしましょう。
これに対し、海外では60点でもいいからとりあえず、開始しよう!と言ってプロジェクトが始まる場合があります。
真面目で完璧主義な日本人からすると、こういうやり方をされると、パニックになります!でも、現地はそういう風にやっているのです。
日本ではこういう時は、完璧にしてからやるんだ!と主張したとしても、現地の人は「それでは遅い!競争に負ける!」という考え方をしているのかもしれません。
環境適応力を上げるには、物事を見たときに、なぜそのようにやっているんだろう?と自分なりに考えたり、人に聞きながら、その背景を知ることが大切です。
そうすることで、自分自身も納得して物事に対処できるようになるでしょう。
忍耐強い
海外では忍耐の連続です。海外に赴任して最初に思ったことは「日本にいたときの自分は、何でもできる魔法使いのような存在だったんだ」ということ。
道に書いてある字も読めるし、人が話していることも全て理解できる。
住民票の登録の仕方から、アパートの契約、自動車ローンの組み方、日本にいたらなんでも当たり前のように出来ることが、海外では一気に難易度があがります。
想像してみて下さい、例えば、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、フランス語で書かれた市役所からの催促状にあなたはどうやって対応しますか?
私は、同僚に通訳を頼みましたが、あまりにも毎日手紙が届くもので、Google翻訳を片手に日々格闘していました(笑)
だんだん、手紙のパターンも分かってくるんですが、最初は何が大事な手紙で、何が大事じゃない手紙かもわからず苦労しました。
当然、仕事においてもそうです。
日本での能力を100とすると、最初は海外では30くらいしか出せません。
すべての面でハンディキャップを背負っていますので、時に、そんな自分が嫌になることもあります。
でも、簡単に日本に逃げ帰る訳にも行けません。
仕事で追い詰められる状況に陥ることは、多々ありました。
そういった時に、この忍耐力が試されます。
ただ、あまりに我慢しすぎて、本当に病気になって帰国せざるを得なくなった人も数多くいますので、注意も必要です!
海外は、想像以上に苦難の連続なんです。
情報収集能力
今はインターネットなどが発達していますが、現地の情報などはやはり現地語で書かれていることが多く、日本語で入手することは大変困難です。
有名な観光地で海外駐在をする場合は、別ですが、日本人からすると名もない土地での勤務をする場合もあります。
そんな時、現地の日本人コミュニティーに入る、友人を作る、なんでも良いので情報を得なければ、生活に支障をきたします。
この能力は仕事でも必須です。
その国の政府が、急に規制を変更したり、法改正をした場合、現地の人はテレビニュースや新聞でその情報を知るかもしれませんが、外国人はそれと同様のペースで情報を入手することは困難です。
もちろん、よほど大切な情報は職場のミーティングでも共有されますが、日本人のように懇切丁寧に全ての情報を教えてくれるということはありません。
政府の英語翻訳サイトなどを常時確認するなど、自分なりにいくつかの情報源を確保しておくことが大切です。
まとめ
海外勤務は、楽しいこともたくさんあります。
しかし、年単位で、そこに生活をし、会社で働くということは想像以上に大変なことです。
私は、新卒時代から、ずっと海外勤務に憧れを抱き、イメージばかりが先行していたタイプの人間でした。
今思うと、海外勤務をすること自体が目的になっていたので、海外勤務そのものに対する現実的な想像力は完全に欠如していました。
でも、欠如していたからこそ、臆することなく挑戦できたし、挑戦できたことは後悔していません。
苦難を苦難と思わず、それが楽しいと自然と思える人こそ、海外で活躍する大きな素質だと思います。
あなたも、ぜひ海外に挑戦してみてください!
大手食品メーカーでヨーロッパに駐在経験のある管理人が、自らの実体験をもとに、最新の海外勤務事情を説明します。大手企業で海…