【2023年版】製薬・医薬メーカー(MR・R&D)の就職偏差値&年収ランキングを解説するぞ!!
製薬業界は、世界全体では130億円超、国内だけでも10兆円規模の巨大産業である。
一般的には不況に強い業界と言われているが、ここ10年を見る限り、徐々に潮目が変わってきており、業界の抱える問題も浮き彫りになってきている。
※重要キーワードとして、海外提携の加速、薬価改定による市場縮小、独占販売期間、研究開発費の増加などが挙げられる。記事の中ではこれらも説明していくので、業界志望者は、必ず押さえておくように!!
製薬・医薬業界に押し寄せるグローバル化の波
製薬・医薬業界にはグローバル化の流れがきている!!
グローバル化の波は、具体的にはグローバル企業と提携や買収(M&A)が挙げられるが、その目的は「創薬力(新薬を生み出す研究開発力)の強化」である!!
「創薬力」は製薬会社の生命線であり、これがクソだと、会社はお金を稼ぐことができない!!
近年は技術革新が著しく、特に次世代技術を使った医薬品開発に乗り遅れないよう、業界大手各社は、最先端の技術を持つ海外ベンチャーを買収したり、海外企業と共同開発をしたりと、未来の飯のタネ探しに必死になっている。
グローバル企業との提携・買収(M&A)
主なグローバル企業との提携でいうと、エーザイ、第一三共、アステラス、中外、塩野義、小野薬品等、業界最大手クラスの会社は、みな欧米の巨大企業と大型提携を結んでおり、これが成功のカギとなっている。
次に、製薬業界を語るうえでの超重要なキーワード「創薬力」についてもう少し詳しく見てみよう!!
創薬力の有無
ただし、創薬化の難易度は非常に高く、忍耐力が要求される!!
製薬業界における「創薬」の成功確率は2万~3万分の1とも言われ、製品化(発売)するまでに10年以上の長い歳月と、1,000億円以上の開発コストがかかる。
ただし、めちゃくちゃ頑張って、運よく開発に成功したとしても、薬価改定(国が薬の価格を下げる)により、投資資金(研究開発費等)を十分に回収できなかったり、昔ほど稼げなくなってしまった。
薬は大きく2種類ある。①医療用医薬品:医師の処方箋が必要。国が価格を決定するため、製薬メーカーが勝手に価格を決めることは出来ない。←薬価改定の対象医薬品はこっちが対象!!②一般用医薬品:ドラックストア等で販売。こっちは製薬メーカーが勝手に決められる。
それは国の医療費削減である!!
ご存じの通り、日本は高齢化が進んでおり、このままのペースで老人が増えると、医薬品の使用量が増え続けてしまい、国の負担する医療費がとんでもないことになってしまうのだ!!
とはいえ、資金力に劣る中堅以下の製薬メーカーは、新薬の開発をするだけの余裕がないのも事実!!
そんな中、注目度が高いのが、戦略的に創薬を放棄した後発薬(ジェネリック)企業である!!
前置きはこのくらいにして、就職偏差値ランキングをご覧あれ!
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製薬・医薬メーカーの就職偏差値ランキング
【68】アステラス製薬
【67】武田薬品工業
【66】第一三共
【65】エーザイ 大塚製薬 中外製薬
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↑業界最高待遇が期待できる
【64】塩野義製薬
【63】田辺三菱製薬、大日本住友製薬
【62】小野薬品工業 協和発酵キリン
【61】参天製薬、大正製薬、久光製薬、ツムラ
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↑できればここまでの企業に入っておきたい
【60】ソレイジア・ファーマ、シンバイオ製薬、JT、そーせいグループ、ノバルティス、サノフィ、ロシュ、ファイザー、メルク
【59】Meiji Seikaファルマ、科研製薬、生化学工業、杏林製薬、ペルチドリーム、
【58】大鵬薬品工業、ジャパンワクチン、持田製薬、アンジェス、ブリストル・マイヤーズ、イーライ・リリー、グラクソ・スミスクライン
【57】帝人ファーマ、旭化成ファーマ、富士フィルムファーマ、マルホ、アッヴィ、アストラゼネカ
【56】日本化薬、日本アルコン、JCRファーマ、キッセイ薬品工業、キョーリン製薬HD
【55】鳥居薬品、あすか製薬、日水製薬、日本ケミファ、ゼリア新薬、マイラン製薬、大正富山
【54】千住製薬、ロート製薬、大幸薬品
【53】日本医広、第一三共エスファ、富士製薬工業、トーアエイヨー
【52】沢井製薬、サンド、エルメッドエーザイ
【51】鶴原製薬、テバ製薬
【50】二プロ、ダイト、わかもと製薬、森下仁丹、ビオフェルミン製薬、扶桑薬品工業
製薬・医薬メーカーの年収
ハッキリ言って、製薬・医薬メーカーの年収は非常に高い!!
第一三共 1104万円 42.5歳(5,357人)
アステラス製薬 1079万円 43.2歳(5,123人)
大塚HD1076万円 44.3歳(86人)※HD年収
エーザイ 1045万円 44.7歳(3,172人)
武田薬品工業 1039万円 40.8歳(5,461人)
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↑1000万円超え
中外製薬 953万円 42.6歳(4,979人)
キョーリン製薬ホールディングス 930万円 44.7歳(115人)※HD年収
塩野義製薬 919万円 41.4歳(3,677人)
小野薬品工業 906万円 41.4歳(3,199人)
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↑900万円超え
田辺三菱製薬 879万円 45.0歳(4,222人)
大正製薬 875万円 44.6歳(92人)※HD年収
大日本住友製薬 863万円 42.0歳(3,402人)
協和発酵キリン 837万円 42.5歳(4,025人)
参天製薬 820万円 42.4歳(1,859人)
持田製薬 814万円 41.9歳(1,360人)
ツムラ 804万円 43.7歳(2,434人)
ロート製薬 747万円 40.3歳(1,400人)
注意:HD(ホールディングス)年収は持ち株会社の年収なので参考としてほしい。
製薬・医薬メーカーの年収が高い理由
理由の1つ目:日本の医療制度
例えば、風邪を引いて病院に行った場合、日本では大人でもせいぜい数千円払えば診察を受けられるし、子供は無料という自治体も多い。
ところが海外の場合は、日本の様に制度が整っていないため、医療機関に行くハードルが非常に高い。
ヨーロッパやアメリカで、風邪を引いて病院に行くと2万・3万円とられるなんてことは普通のこと!!
この手厚い制度により、みんな気軽に病院にいくので、薬はガンガン売れるのである!
※日本の医薬品市場は米国・中国に次ぐ世界3位と巨大。
理由の2つ目:新薬の特許期間
一度、創薬に成功し特許を出願すると20年~25年間はその会社がその新薬の製造・販売権を独占することが出来る。
メチャクチャ高利益で販売が好調な商品ができあがると、他社はそこに参入できないので、開発した会社はずっと高利益を維持できるのである。
正直言ってこの制度は最強!!
この制度が無いとどうなるか見てみよう!!
電化製品で例えると、定価5万円の新商品を発売しても、すぐに他社が似たような製品を開発して投入してくるため、あっという間に3万~2万円に値下がりし、利益率も下がってしまう。
これでは新商品の開発➡発売➡値下がり、開発➡発売➡値下がりを繰り返すので、仕事も大変だし、そもそも儲からないのだ(他社がマネできないような圧倒的な技術力があれば、話は別・・・)。
おまけ(業務提携・買収)
新薬の開発を成功させるために10年以上の年月と、1,000億円以上の開発費用がかかることは冒頭に述べたが、正直これは効率がよろしくない!!
株主からのプレッシャーがあるため、最近は海外の製薬メーカーと提携して共同で創薬を行ったり、既に成功している海外製品を日本で独占販売している。
かつてのように、継続的にドル箱の新薬が開発できていた時代は良いが、今はそういう時代でもないため、このような動きが加速しているのだ。
研究開発費とジェネリック
次に大切な指標がこの研究開発費で、これはいわば未来への投資だ!!
大手各社がどれくらい研究開発費にお金を投資しているか見てみよう
大手メーカーの研究開発費
※左が研究開発費、右が利益
武田薬品工業 3,682億円/(利益:1,091億円)
アステラス製薬 2,086億円/(利益:2,222億円)
大塚HD 2,057億円/(利益:848億円)
第一三共 2,037億円/(利益:934億円)
エーザイ 1,448億円/(利益:633億円)
中外製薬 942億円/(利益:924億円)
ご覧の様に業界最大手の主要6社は、年間に稼ぎ出す利益以上に、研究開発費に資金を投じている。
正直、利益との比較でみると赤字だ!!
だからといって研究開発を止めてしまうと、その会社には未来はない。
なお、製薬会社はキャッシュリッチ(現金がたくさんある)な会社が多いので、このような状態が成り立つ。
ジェネリックメーカー(後発薬)
製薬・医薬メーカーの中には最初から新薬を作ることを諦めた会社がある。
それがジェネリックに特化した医薬メーカーである。
ジェネリックは後発薬といい、ジェネリックメーカーは既に開発済みの製品を製造・販売することを専門にしている。
具体名を挙げると、日医工、沢井製薬、富士製薬工業、東和薬品などがあげられるが、生き残りの方向性(経営戦略)としては合理的だ。
その理由は、ジェネリック市場は2000年代継続して伸び続けており、今の年間5~7%の成長率を維持していることが挙げられる。
いまや市場規模の8割をジェネリックが占有し、市場規模は1兆円を突破しているのだ。
今後も大手医薬メーカーの特許切れが起きるため、ジェネリックの市場規模はますます拡大するであろう。
働く環境
製薬・医薬メーカーは文系と理系で働く環境が大きく異なる。
文系:MR(医薬情報担当者)
文系の場合は、MR(医薬情報担当者)の仕事がメインだ。
といってもいきなり仕事ができるわけではなく、MR認定試験に合格する必要がある。
入社後にMR認定センターの教育研修施設で、300時間以上の研修を受ける必要があるが、合格率は80%以上なので、真面目にやっていれば問題なくパスできる。
給料が破格である一方、医者を相手にするため、仕事が激務になりがちで、離職率が非常に高いのが現実だ。
もちろん、製薬・医薬メーカーはお金持ちな会社が多いので、毎日の営業日当(給料以外に1日2,000円~4,000円もらえる)、住宅手当など福利厚生面は非常に良い。
大手の場合、年収は30歳で600~700万円、35歳で700~900万円、40歳で1,000万円に到達する。もちろん、昇進の度合いによっても年収は異なる。
採用者の学歴は、実はそれほど高くない。
文系であれば、MARCHレベルで十分に内定を取ることが可能である。
理系:R&D(研究開発職)
理系の場合は研究職と開発職に分けられるが、それらを合わせてR&D(研究開発職)という。
大手は研究開発費に投入できる金額が莫大!!そのため、施設・設備が充実しており、人員も万全の体制。
労働時間については、大手に行けば行くほど短い傾向にあり、企業規模が小さくなるにつれて激務な傾向に。
ただし、残業代はきっちり支払われる!!
薬学部出身者ばかりを採用するわけではなく、特に研究分野では幅広い理系学部から採用をする。
それから、英語力は意外と必要になるのでしっかり勉強しておきたい。
まとめ
文系と理系で仕事の内容は大幅に変わってくるが、総合的にみて武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共、大塚製薬、中外製薬、エーザイあたりに就職できれば、好待遇が期待できる。
当然このあたりの企業の就職難易度は高いので、しっかりと業界研究と対策をしてのぞんで欲しい。
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