【元駐在員が語る!】海外勤務で成功する人、失敗する人の違いとは!?について投稿します。
皆さんは海外勤務と聞くと、どんなイメージがありますか?
英語を使う、国際的、カッコいい!
確かにそういう側面があるのは事実です。
ただしイメージだけで見ると痛い目をみます。
なんとなくのイメージで海外勤務を志望すると、海外勤務をすることがゴールになり、赴任後に「こんなはずじゃなかった!」と涙を流す羽目になります。
特に最近は海外勤務のスタイルが従来と大きく変わってきていますので、そのあたりの最新トレンドを把握しておくことは重要です。
このサイトを通じてそれらの理解を深めてもらえると幸いです。
海外事業の一般的な運営方法
最新トレンドを理解する前に、まず海外勤事業の一般的な運営方法について理解を深めましょう。
経営主体が日本人
経営主体が日本人=最も多いパターンです!
これは企業が保有する海外子会社に日本人の社長や幹部を送り込んで経営をする方法です。
タイトルの通り日本人が経営の中核になり、事業を展開します。
当然、日本人だけでは事業を展開できませんので、現地スタッフを雇って一緒に働きます。
※現地スタッフとは、その国で採用される現地のスタッフの事を指します。本社のスタッフとは異なり、原則は採用国でのみ勤務をします。
現地スタッフは現地の物価で給与が支払われますので、国によっては日本人の給与と比較して何十分の一なんてこともザラです。
突然ですいませんが、、、ちょっと想像してみてください。
異国の地で商売をしてこい!と言われた時、皆さんはどの程度その国のことを知ってますか?
例えば、ベトナム工場で製造した商品をベトナム国内で販売してきてほしいという内示をうけたとしましょう。
その時、最低でも以下のようなことを知らないと商売は成立しません。
・その国の法規制
(例:値引きの限度、パッケージに記載しておかなければならない内容、使用不許可物質)
・販売チャネル
(例:お店の種類/コンビニ、量販店、ドラッグストア、一般店)
・販売動向
(例:どのエリアの人口が多くて、どの商品がよく売れるのか)
・競合他社
(日本で聞いたこともないような無数のブランドや商品名とその売れ筋の把握)
・国民性
(例:〇〇色が好き、甘いものが好き、辛い物が好き等)
思いつく限りざっくり挙げてみましたがどれほどご存じでしたか?
もちろん業界によっては、全ての市場データが揃っているところもあるでしょう。
ただしほとんどの会社にはそんなデータなんてありません。
もちろん赴任すれば先輩駐在員がいるので基本的なことは教えてくれるでしょう。
しかし、市場環境は一昔前と比べて凄いスピードで変化しています。
場合によっては数年前の知識や経験は全く使い物になりません。
ですので、常に最新の情報を把握しておく必要があります。
成功するには、その国のことを現地の人と同じくらい知り尽くすという気持ちが大切です。
もちろん、不足している知識を勉強によって補う必要もあります。
よく現地スタッフのことを「要領が悪い!適当な仕事しかできない」とバカにする駐在員を見かけますが、私はあまり建設的だと思いません。
何故なら、日本人からみると非合理的に見えるかもしれませんが、現地ではそれが合理的と考えられる場合もあるからです。
もちろん、仕事に対する考え方は文化や宗教によって大きく異なります。
そもそも全員が全員、日本人のように高い駐在員手当をもらって「ここで一旗あげよう!」と息巻いているわけでもないのです。
何か気になることがあれば、なぜそう考えるのか、なぜそう行動するのかという背景を考えると納得できることが多いです。
それは、歴史から起因していることもあるでしょうし、その人の価値観かもしれません。
いずれにせよ、現地スタッフとの密なコミュニケーションが不可欠です。
現地スタッフはその土地で何十年も生きてきた人たちです。
感覚知としてその市場を熟知しています。この人達から積極的に学ばない理由はありません。
ですので、海外勤務を目指すひとは、是非、現地スタッフから積極的に教えてもらうという姿勢で臨んで欲しいと思います。
海外駐在員と聞くと英語がペラペラでTOEIC900点以上等をイメージする人もいるかもしれませんが、日本人が中心の海外駐在事務所はそこまでの語学力は必要ありません。
理由は、周りに日本人がたくさんいるからです。何かを本社に報告する際も、日本語で事足りますし、現地駐在事務所の大事な決定事項も、ほとんど日本人が中心となって行います。
もちろん、決定した方向性を現地スタッフに伝える場合は英語が必要になりますが、上記に比べるとそこまで難易度は高くありません。
どちらかというと現地スタッフとのコミュニケーションという点で、英語よりも現地語に堪能であることの方が有利かもしれません。
海外事業の新しい運営方法
従来のスタイルを理解したうえで、次は海外事業の新しい運営方法を理解しましょう。
経営主体が外国人
タイトルからも分かる通り最近のトレンドは外国人(日本人以外)が経営の主体になります。
どういうことでしょうか?
キーワードは
日本企業による海外企業の大型買収
昨今は、一昔前では大騒ぎになるような大型買収がバンバン行われています。
有名なところで、武田薬品のアイルランドの製薬会社・シャイアーの「7兆円買収」、ソフトバンクの英半導体設計大手のARMの「3.3兆円買収」など、あげればキリがありません。
当然これは「従来の海外勤務スタイル」を大きく変化させる要因になりました!
具体的には、もうこれまでの様に日本から日本人社長や幹部を送り込む必要がなくなりました。
例えば、買収先の会社がアメリカの会社でアメリカで手広く事業を展開している場合は、そのまま従来通りの社長・幹部・現地採用スタッフに事業運営をお任せします。
とはいえ、なんでも自由気ままにやらせる訳にはいきませんので、全世界統一のルールを設定します。
このルールに従い、あとは現地が最善だと思う方法で経営を行います。
補足:全世界統一のルールは海外本社で設定されます。近年はこのルールに日本本社も従います。
従来のように、日本本社の社員だから!という理由だけで海外駐在員にはなれません。
これから海外で活躍するためには、その市場に必要な技術や専門性を持っていないと受け入れてはもらえませんし必要ともされません。
また、ひとつの国の駐在事務所に日本人が何人もいるなんてことも稀です。
補足:もちろん海外本社は別で日本人はたくさんいます。ここではあくまで一つの国の駐在員事務所の事情について記載しています。
基本は一人で全てサバイブ(生き残る)する必要があります。
環境としては、外資系企業と同じです(もともと外資系企業を買収しているので当たり前の話ですが)。
周りでは、当然のごとくパンフォーマンスの低い社員はクビを切られるシビアな世界です。とはいえ、日本人は最後は日本本社に帰るという選択肢があるので恵まれているんですけどね・・・。
語学力は、従来のパターンと比較して非常に高いレベルを要求されます。
社長や上司にも全て英語で論理的に説明し、Approve(承認)をもらう必要があります。
この際、日本人のような「阿吽の呼吸」や「なんとなく」は通用しません!
英会話学校や海外旅行では、なんとなく英語を分かった気になりますが、特にガチンコの欧米圏では容赦はありません。
率直に言うと、TOEIC990点でも対応は不能だと思います(そもそもTOEICという尺度でも測れません)。
人を国籍で判断しないので「日本人だから仕方ない」などという甘えは通用しませんし、語学力でつまずいている時点で「なんであなたはここで働いているの?」という不思議な目で見られます。
専門性を発揮し、現地の人と同じように働き、現地に貢献することで初めて存在に市民権を得ます。
その上で、周囲の信頼を得ることが出来たなら、現地で昇格をすることもあります。
つまり、競争相手はその国の社長・幹部・現地採用スタッフです。
厳しい環境ではありますが、もはや日本人だけを特別扱いをする余裕はありません。
世界で勝ち残るとは、そういうことを意味します!
まるでサッカー選手のようですね!自分のポジションは自分でつかみ取るしかないのです。
まとめ:これからの海外駐在員に必要なこと
その①:専門性
その②:柔軟性
その③:高い語学力
その④:競争心
少々厳しいトーンになってしまいましたが、これが現実です。
これらの情報を踏まえて、企業にアプローチをしてみてください。
皆さんの転職活動がうまく行くことを祈っています。
続きはブログで!