注目キーワード
  1. 就職偏差値ランキング

海外事業部/国際事業部の仕事内容・役割・英語力について元海外駐在員が詳しく解説!!

海外事業部/国際事業部の仕事内容・役割・英語力について元海外駐在員が詳しく解説!!

将来は海外で活躍したいと、思っている人は多いだろう。

だけど、海外事業部の仕事って具体的に何をするの?どうやったら働けるの?

英語力ってどれくらい必要? 海外営業と海外駐在って何が違うの?など様々な疑問があると思う。

そこで、海外駐在員経験のある筆者が、海外事業部の仕事・役割・英語力に至るまで、なるべく簡単に分かりやすく解説しようと思う。

ちなみに冒頭からちょっといやらしい話をしてしまうが・・・

現在あなたが働いている会社には「海外事業部」はあるだろうか?

もしも「Yes」と答えた人は、残念ながら、その会社は国際化があまり進んでいない可能性が考えられる。

えっ、どういうこと!?

そう思った人もいるだろう。

ちょっと考えればわかるのだが、本当の意味でグローバル化が進んでいる会社は「海外事業部」なんていらないのである!!

例えば、トヨタ自動車、三菱商事、伊藤忠商事といった総合商社には海外事業部なんてものは、存在しない。

なぜかというと、その会社そのものが海外事業部だからである!!

グローバル化が進んでいる会社は、各部署がそれぞれ海外とやり取りをしなければいけないほど密接に関わっているため、海外事業部のような特定の部署だけが海外関係の業務をしているようでは、もはやビジネスが成立しないのである。

そうはいうものの、世の中の会社の大半は海外事業部が中心となり、海外ビジネスを展開しているのが実情だ。

なお、海外事業部の仕事内容を理解するうえで大事なことは、その会社がどういうやり方・スタイルで海外ビジネスを展開しているかということ。

という訳で、まずは海外ビジネスのやり方を理解することが重要になるが、順番に見ていこう。

海外ビジネスの色々なやり方

企業が海外とビジネスをやるとなった場合には、実にいろいろなスタイルがある。

どういうスタイルで海外ビジネスを展開するかは、その会社の持つ資源(人材、ノウハウ、資金力)次第である。

そして、なによりも大切なのは経営者の「海外ビジネスにかける本気度」である!!

これらを総合的に考慮し、どういう打ち手で海外市場を攻めるかを決定する訳だが、比較的容易に始められるのは「海外営業」というスタイルである。

そういうことで、まずは海外営業(輸出ベース商売)から見ていこう。

海外営業(輸出ベース商売)

海外ビジネスとして比較的始めやすいのが、この海外営業(輸出ベース商売)である。

簡単にいうと、海外で自社商品を流通させてくれる現地の代理店(現地メーカーや卸店)と契約を行い、現地における自社商品を拡販する手法を指す。

海外営業担当者は、こういった現地の代理店と上手くパートナー関係を築きながら、自社商品を積極的に売るのが仕事だ。

現地の代理店が営業してくれるなら楽勝じゃん!!

と思った人もいるかもしれないが、そんな簡単な話ではない。

というのが、代理店も1社の商品だけを販売しているわけではなく、自社製品や、その他の他社製品も販売しているケースもあるので、インセンティブを高くしたり、売上につながるような商品じゃないと本気で売ってくれないのだ。

このあたりは契約内容や、先方にもメリットがあるようなビジネスモデルが上手くできているかということも大事で、単に代理店任せにしていると上手くいかないケースが多い。

海外代理店の営業マンとお互いに戦略を共有していることが、何よりも重要だし、その市場のことも勉強しなければならない。

成功のためにはお互いに上手く連携することが非常に重要な要素で、時には現地での大型商談会に参加したり、重要な商談がある場合は直接出向いて自社商品をアピールしたり交渉したりもする必要がある。

ここまで見ると、商売自体は国内営業とほとんど差がないことがわかるが、現地語をビジネスレベルで話せるとかなり有利に働くケースが多い。

ジョイントベンチャーの立ち上げ

次に、日本のA社と現地のB社でジョイントベンチャーを設立して、ビジネスを展開する方法がある。

ジョイントベンチャーの設立は、現地の会社と設立するパターンもあれば、現地に流通網を持つ日系商社と設立するパターンもある。

いずれの場合も、海外に事務所を構え、駐在員として赴任するケースが多いが、パートナーとの相性が悪いと毎日が地獄になる。

あくまで筆者の個人的な見解だが、このジョイントベンチャー型の海外駐在は、精神的な負担が大きいので可能な限り辞めておいた方が良いと思う。

ちなみに、ある程度ビジネスが軌道に乗ってくると、いつかはジョイントベンチャーを解消する日がやってくるのだが、その前に契約解消となるケースを何度も見たことがある。

※ちょっと個人的な思いが入りすぎてしまった(笑)

海外子会社の立ち上げ

現地に100%子会社を設立し、日本から駐在員を派遣し、現地で採用した営業マンを中心に商品の販路を拡大させるといったケースもある。

もちろん、現地の卸店(流通網)を活用する場合もあるが、国によって商売のやり方は様々。

海外駐在員自らが営業マンとして、商売をするケースもあるが、主には現地営業マンの監督・管理が仕事の中心になる。

また、現地に工場がある場合は、工場との連携を行ったりもする。

それから、本社からお偉いさんが来たり、出張者が来た場合はその相手をしないといけず、これが結構面倒くさい。

コロナによりオンライン会議が普及しているので、コロナ後もこのような仕事は減ることが予想され、海外駐在員として本来すべき業務に専念できるようになるだろう。

これ以外にも、現地法人を管理するというのは会社を経営するのと同じことなので、経営戦略、ファイナンス、マーケティング、営業など幅広い知識と実務能力が要求される。

そのため海外子会社経験者はその後、日本に戻ると経営人材とみなされ出世するケースが多い。

海外企業の買収(M&A)

これは2000年代以降の主流で、特に2010年頃型超大型M&Aがバンバン行われている。

最大のメリットは時間をお金で買えることで、現地法人を立ち上げて、ちまちま販路を拡大するより、既にある会社を買うので、圧倒的なスピードで海外ビジネスを促進することができる。

例えば、20年かけてA国のシェアを20%得るのではなく、最初から20%のシェアを持っている会社を買収してしまえば、20年という時間を節約することができる。

ただし、買収先の企業をその後も以前と変わらず経営し、成果を出し続けられるかは、また別の話。

このあたりの経営ノウハウが乏しかったり、やり方を間違えると、買収したは良いものの事業は赤字続きということになり、結果として失敗に終わるケースは多い。

特にやりがちなミスは、日本から買収先の企業のTOPに日本人を送り込み、総スカンを食らい、現地の優秀な人材が大量に離職するなど。

日本人の感覚で経営をするよりは、現地の人を尊重し、良い意味でお任せすることが大事。そういう会社の方が、案外上手くいきやすい。

日本の海外事業部の仕事内容

以上のように海外ビジネスのスタイルによって、日本本社の海外事業部の仕事の内容も大きく異なる。

海外駐在員を派遣せずに海外営業ベースだけで商売している場合は、それほど複雑ではないが、海外子会社を持ち、駐在員を派遣するとなるとそれなりに複雑になってくる。

以下、海外事業部の主な仕事内容を整理したので参考にしてほしい。

海外駐在員の管理

ビザ、住居の手配、給与、税金、福利厚生などを全般的に行う。海外駐在員の中には、メンタルをやられる人もいるので、そういったケアも重要。海外駐在中に突然転職してやめる人もいたりするので、そういう時は偉い人に相談しながら後任を誰にするかなど、調整を行ったりもする。

海外事業所の収支管理

海外事業所の収支管理サポートを行う。現地の子会社の社長や駐在員からの報告を基に、月次レポートを作成し、本社の幹部に報告したりする。

海外営業(輸出業務)

先に述べたように、海外販社やパートナー企業と連携し海外における売り上げ増やすべく活動する。

製品の納期連絡、新商品の紹介、見積書、クレーム対応など、言語が違うだけで、基本は国内営業とやることは同じ。

それから、貿易実務に関する知識が必要になる。

なお、自分で貿易実務に関する細かい仕事をするわけではなく、乙仲(海貨業者ともいう)という輸出入を専門に取り扱う業者と連携して仕事をするケースが多いので、貿易実務検定3級程度の知識があれば十分対応可能。

輸入業務

国内工場で使用する材料などを調達するのが仕事。会社によっては海外事業部ではなく、資材部がこの業務を行う場合がある。

期日までに、必要な商品、材料を海外から輸入し、指定倉庫に届けるまでが任務。

基本はトラブルなくルーティンワークで事足りるが、たまにトラブルなどでコンテナの到着が遅れたり、通関が通らない事態が起きると面倒くさい。

通関が通らないとは、商品は港に来ているけど税関の許可が下りないことを指し、要求された必要書類などを提出しなければならない。

この際、海外カウンターパートに問い合わせをする必要もある。

現地のミスで他国向けの商品が届いたりした場合は、すぐに飛行機で輸送してもらうように交渉しなければならない(エアーを飛ばすという)。

輸入した商品(最終完成品)を日本国内で販売するケースもあるので、納期遅れは致命的!!このあたりは神経を使う。

海外事業部の年収・給料

海外事業部に勤務したから年収や給料が上がるというと、そういうこともなく、基本は他の社員と同じ水準である。

ただし、海外出張を頻繁にする場合は、手当(1日/数万円)が支給されるので、その分は上乗せされる。

一番おいしいのは、やはり海外駐在員である!!

海外駐在員の年収は、普通のサラリーマンが手に入れられないような破格の年収が手に入る!!

海外駐在の場合は、厳密にどこまでが給料という線引きが難しく、一概に言えないところもあるのだが、感覚的には、現在の年収の3倍程度に増えると考えてもらってよい。

このあたり情報については、以下の記事に超詳しくまとめているので、気になる人は参照してほしい。

俺の転職活動塾!

【海外勤務】海外駐在員の給与・年収を元駐在員が全て暴露します! グローバル化により日本企業の海外進出が盛んになってきまし…

海外事業部で働く方法

海外事業部で働くには、人事異動で異動する方法もあるが、実際は、中途採用で外部からグローバル人材を採用するケースが多い(感覚的には約半分~7割)。

現在はコロナで海外への移動には制限があるが、オンライン会議などを活用しながら、引き続き事業展開を行っている。

管理部門などで働く分には、語学力がそれほど必要とされない場合も多いので、何の仕事にするかにより必要とされる英語力は大きく異なる。

おそらくTOEIC600~700くらいあれば、普通に業務をこなすには問題はない。

英語力というよりは、個人的な人間力(魅力)が大事で、外国人カウンターパートと楽しく仕事が出来る人の方が成果を出している印象。

細かいことを気にせずも、ポイントを見極めつつ、新しいことにチャレンジする姿勢のある人にとっては楽しい職場になるだろう。

もし興味がある人は、以下の転職エージェントに記載の海外求人に応募することをお勧めする。

【リクルートエージェント】


スポンサーリンク