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大学職員(私大職員)の出世コースと配属部署について

大学職員(私大職員)の出世コースと配属部署について

私大職員の出世に関する情報があまり市場に出回っていないようなので、解説しようと思う!!

私立大学は、同族経営とそれ以外に分けられるが、同族経営の場合は、訳の分からないロジックによって出世のメカニズムが形成されているため、ここでは割愛する。

あくまでも、組織としてフラットな経営をしている私立大学についての出世コースと配属部署に関するまとめになるので、その点をご了承いただきたい。

それから、大学の学長(民間企業でいうところの社長)は、原則、教員(教授)しかなれないようになっている所がほとんどだ。

従い、大学職員の出世の最高到達点は、現実的には「理事」となる。

大学における出世の到達点

●社長=学長(大学教授)

●役員=理事(大学教授 or 大学職員)

この記事では大学職員(私大職員)の出世コースと配属部署について説明をするが、その前に、大学職員(私大職員)の人材レベルについて、過去(歴史)を踏まえながら説明をしたい。

年代別・私大職員像

大学職員の能力は、年代によって大きく異なる!!

近年は私大職員が大変な人気で、就職する場合は数百倍の倍率を突破する必要があり、若手の人材レベルは年々上昇している。

一方で、転職者を除き、50代以上のプロパー社員の能力は、非常にバラつきが大きい。

(正直・・・50代以上のプロパー社員で、役職なしの人は、かんなりヤバい人も・・・。)

無論、個人的な理由で出世を拒否している人も含まれるため、全員をそうだと決めつけるのは申し訳ないが、ヤバい人の比率は残念ながら高い!!

昔の私大職員

今の50代が大学職員に就職したのは1990年前後で、当時、日本はバブル景気の真っただ中ということもあり、民間企業に就職する人が多かった。

なので、民間企業を受けてもどこにも就職できなかったような人が、就職課にかけあい、うちの職員受けてみない?なんてノリで入社していた時代だ。

当然ながら、今と比べると採用する職員の人数も多かった。

ただし、結果的にこの時代に大学職員になった人は、「超大当たり」で、不況の波にさらされることもなく、世の中と断絶された「大学」という学生の延長のような環境の中でまったり働くことができた。

初めての社会人経験が「大学職員という特殊な環境」であるため、世の中一般の社会人の感覚を知らずに今日に至っている人が多いが、今更、彼らを責めてもどうしようもない。

私大職員人気に火が付いた

私大職員が注目を浴びだしたのは、インターネットが本格的に普及した2000年前後だ!!

それまでは、今のように年収や業界の裏事情を知る機会がなく、私大職員という超ニッチな職業の存在を知っている人の方が少数派であった。

それが2チャンネルなどの開始と同時に「私大職員はまったり高給らしい!」という噂が流れ・・・情報が拡散されていった。

この2000年前後は、世の中の大不況(就職氷河期)とも相まって、またネット社会の普及も影響し、私大職員に関する情報が世の中に出始めた。

そうなると優秀な人材が私大職員を志望するようになり、人材レベルが一気に上昇した。

そんなこんなで、1990年代組と、2000年以降組で私大職員の能力には大きな差があることを理解しておきたい。

年功序列組織の権力者

若い世代に優秀な人材が増えたといっても、大学職員の世界で権限を握るのは1990年代組である。

この世代が、各部局の部長・課長などのポジションについており、彼らが大きな影響力を持っている。

そういう背景を踏まえながらも、最新の大学職員における出世コース配属部署のランキングをご覧あれ。

私大職員の出世コース・配属部署

Sランク:法人系(人事、総務、財務、経営企画)、省庁出向

Aランク:花形系(国際部、入試、広報)

Bランク:学部事務、就職課、施設部

※私大職員は準公務員のようなものなので、基本的には公務員の出世コースと強い相関性がある。

これが出世に有利な配属部署である!!

正直、大学内にはここに書ききれないくらい、たくさんの部署が存在する。

ここに書いた部署以外は、どこもどっこいどっこいで、ここの部署だから必ず出世するという所は少ない。

Sランク:法人系

Sランクの法人系は、公務員とほぼ似たような構造をしており、ヒト・モノ・カネをコントロールする権限を持つところは、やはり強い。

仕事は面白いか分からないが、若い内に、法人(特に人事部)を経験しておくと、最短で出世がしやすい。

経営戦略は、大学によって呼び名は変わるが、文部科学省の動向を読みながら、次の打ち手や戦略を考える部署。

例えば、首都圏大学の定員規制が入るのをいち早く予測し、規制が入る前に定員数を引き上げた某有名私立大学などは、かなり優秀な職員がいることは間違いない。

定員を100人増やすと、一人100万円✖4年間ということで、軽く4億円を獲得できる。

1000人定員を増やせば40億円を半永久的に獲得できることになる。

Sランク:省庁出向

文部科学省など省庁に出向する人は優秀な職員である証拠だ。

どちらかというと私大職員より、国立大学職員の方が省庁に出向するパターンは多い。

Aランク:花形系(国際部、入試、広報)

Aランクは、大学のコンテンツ面を牽引するドライバーの役割を果たす。

グローバル教育は、いまや必須のコンテンツで、各大学は新設学部を設立したり海外教育にも力を入れている。

特に、SGU(スーパーグローバル大学)に指定されている大学は、確実に成果を出さなければいけないので、こういう有名大学の国際系部署に勤務する人は、ぼんくらでは務まるわけがない。

入試・広報は、大学の生命線で、いかに大学を売り込み、受験生を獲得するかという点で非常に重要。

広報により大学のブランドイメージにも大きな影響を与えるし、大学経営に与えるインパクトは非常に大きい。

いわば大学の顔ともいえる部署であり、優秀な人材配置は必須になる。

Bランク:学部事務

Bランクの学部事務はがなぜランクインしているか?

それは、なんだかんだで学部は大学のメインコンテンツだからである。

民間企業でいうと、営業を経験していないようなもので、やはり現場の動き(メカニズム)を理解していないと、後々何かと苦労をする。

なので、えらくなるためには、絶対に一度は経験しておいたほうが良い部署である。

学部事務を経験せずに、出世コースの法人系ばかり歩む人もいるが、どこかで必ず限界がくる。

大学におけるメインコンテンツ(学部)を知らずして、大学経営を語ることはできない。

Bランク:就職課

就職課は、昔は全く注目されていない、どちらかというの存在感の薄い存在であったが、近年は重要な部署になりつつある。

大学を卒業して、主要企業にどれだけ就職できたか、就職率は何%だったかという実績は、その大学を志望する大きな判断材料の一つになるので、重要だ。

Bランク:施設部

建物が古かったり、キャンパスが変な場所に位置していると志願者を魅了することはできない。

スタイリッシュで利便性の高いキャンパス設計は、多くの受験生にとって志望をを高める重要な役目を果たす。

以上、S~Bランクに区分けしたが、法人系と大学の競争力を高めることに寄与する部署が出世しやすい所だといえるだろう。

私大職員の出世と年齢

民間企業では、ビジネスのための肩書が存在する。

平社員だとお客さんにナメられるということで、新入社員なのに「主任」「営業リーダー」といった肩書を付ける会社がよくあるが、大学職員はそういう名ばかりの肩書は存在しない。

出世も民間企業と比較すると、遅い部類に入る。

例えば、民間企業だと係長になるのは33歳くらいだが、大学職員の場合は、40歳手前で主任になる所が多い。

課長も、民間企業だと早ければ35~40前には昇進するが、大学職員の場合は平均45歳前後とやはり遅めの部類に入る。

どんなに突出した能力があっても、一定の年齢に達しないと昇進できないように規程で決まっているため、このようなことが起きる。

このあたりは公務員ともよく似ている。

私大職員の出世と年収の関係

待遇のよい私立大学では、毎年の昇給額が(1~2万円)と高く、平社員でも40歳を過ぎると年収1,000万円に到達するケースはよくある話。

そのため、民間企業のようにガツガツ出世に意欲を燃やさなくても、かなりの待遇でサラリーマン生活をフィニッシュできる。

今後は昇進年齢を引き下げたり、昇進しないと昇給額が下がったりする制度が導入されるだろう。

しかし、いかんせん世の中の流れとは違う流れの私大職員なので、それが起きるのは、もう少し後かもしれない。

仮に導入されたとしても、相当ぬるい感じの制度からスタートすることになるだろう。

これから私大職員を目指す人は、以下の記事も参考にしてほしい。

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