【2021年】旅行業界の就職偏差値ランキングを解説するぞ!!
かつては誰もが当たり前のように海外旅行をしていたし「旅行」の持つ楽しいイメージが旅行業界へのポジティブなイメージを形成している。
おっさんたちがいないので、楽しい職場なのではないかという見方もできるが、逆の見方をすると長く働き続けることのできない職場とも取れる。
「旅行に関われるなんて幸せ!」という軽い気持ちだけでこの業界を志望すると、後々、痛い目を見ることになるので、冷静に良い所と悪い所を理解したうえで就職してほしい。
そんな旅行業界は、今現在コロナウイルスの影響により、かつてない苦境に立たされている!!
Go To Travel により一時的に国内需要を喚起したものの、コロナウイルスはまだまだ収束の兆しを見せず、本格回復には程遠い!!
財務体質の弱い会社は経営状態の厳しい所が多く、近場の国内需要の取り込みつつ、事業の多角化を推し進めながら、なんとか食いつながなければいけない状況が続いている。
経費削減として、大手旅行代理店を中心に実店舗を廃止する動きが加速しているが、長期的にみると大手企業を中心とした薄利多売のビジネスモデルから脱却できる可能性もあるが、今いる社員からすると、なかなか厳しい話である。
OTAがビジネスモデルを根底から覆す
旅行代理店といえば、かつては実店舗で航空券を販売する店舗型が主流であったが、近年はネット販売の勢いが凄まじい!!
このネット販売のことを専門用語で、OTA(Online Travel Agent)という。
ネット販売の利点は、わざわざ店舗に行かずとも、クレジットカード1枚で、航空券を購入できる点だ。しかも、店舗にいくより格段に安い値段で購入することが出来る!!
例えば、Booking.comやHotels.comを使えば、あっという間に世界中のホテルをネットで予約することが出来る。
それでも店舗の需要はいまだに根強く、ツアー商品や、富裕層向け商品、高齢者や地方在住の人はまだまだ活用している。
しかし、ネット型販売の勢いはとどまることを知らず、いつかは店舗が完全に姿を消す日が来る可能性もゼロではない。
大手の旅行代理店は、OTAと一線を画し、実店舗を大事にしてきたが、経営上のコストは大きく、今回のコロナによって店舗廃止の流れが一気に加速している。
そのカギを握るのが、まさにITで、IT技術と旅行業が一体となり、新しいビジネスモデルを形成することになる。
例えば、AIが自動で旅行プランを提案してくれ、航空券からホテルの予約まで、ワンクリックで完結するなど。
前置きはこれくらいにして、とりあえずは就職偏差値ランキングをご覧あれ!!
登録・利用は無料!!
※専門のエージェントにキャリアプランを相談することで、お勧めの会社を紹介してもらうことが出来る。
旅行業界の就職偏差値ランキング
以下が、就職偏差値ランキングだ!!
ランキングの理由は、順を追って解説したい。
【60】 JTB
【57】 HIS(エイチ・アイ・エス)
【55】 JALPAK、ANAセールス、Yahoo!トラベル、クラブツーリズム
【54】 近畿日本ツーリスト首都圏、リクルートライフスタイル、日本旅行
【53】 阪急交通社、エアトリ(エボラブルアジア)、トラベルコ(オープンドア)
【52】 東武トップツアーズ、Skyticket(アドベンチャー)、旅工房
【51】 名鉄観光サービス、JR東海ツアーズ、農協観光
【その他】JTB首都圏、JTBワールドバケーションズ、JTB関東、JTB西日本、JTB中部、トラベルプラザインターナショナル、オリオンツアー、ビックホリデー、タビックスジャパン、エヌオーイー、ユナイテッドツアーズ、PTS、エアーリンク、アバンティリゾートクラブ、あさひ国際旅行、平成エンタープライズ、秩父観光興業、日本トラベルサービス、京王バスシステム、鎌ヶ谷観光バス、名阪近鉄旅行、東海ツーリスト、エヌズ・エンタ-プライズ、アバンティ・ウエスト、PSA、ミツワトラベル、ハートトラベル、ドリーム観光サービス、丹後海陸交通、ライオンズ旅行企画、京阪津ツーリスト、ビューティフルツアー
※黒字は店舗販売型。
※青字はネット販売型。
外資系 旅行会社
エクスペディア(米国)、ブッキングホールディングス(米国)、トゥイ(独)、トーマス・クック・グループ(英国)
目次 1 旅行業界からのおすすめ転職先!!転職しやすい業界!!1.0.1 旅行業界のビジネスモデルが変化する1.0.2 …
平均年収(主要企業)と働き方
残念ながら、年収という観点ではコスパが良くない(給料が安い)のが実情だ。
理由は、社員の平均年齢が30代前半と若いこと、旅行代理店というビジネスモデル自体の利益率が低いことがあげられる。
旅行業界の販売形態は大きく3つのパターンに分類することができる。
1.店舗販売型
1つめは、駅前などにある旅行代理店に行って、航空券やツアー旅行を予約する店舗販売型だ。
お客さんに直接接客して、コミュニケーションをとりながら、必要な商品を進めていく。
仕事の無い土日祝日に店を訪れる人が多いため、土日祝日の勤務は必須で、長時間労働になる傾向が多い。
毎月のノルマ(目標金額)も厳しく、必死に働かないと、休みは取りずらい勤務形態。
「旅行」と「接客」を心から愛し、そしてその気持ちを持続させない限り、長く働くのは難しい。
平均年収
JTB(441万円/30.9歳)
HIS(451万円/32.3歳)
日本旅行(419万円/30代前半)
阪急交通社(436万円/30代前半)
2.エアライン型
2つめは、エアライン型と言ってJALやANAといった航空会社の系列企業での勤務になる。
例えば、ANAセールスに入社した場合は、ANA関連の商材のみを取り扱うことになる。
その場合は、ANAの航空券(座席)を旅行代理店を通さず、直売したり、自ら企画した国内・海外旅行の企画・販売を行うことになる。
旅行代理店を通さずに、直売するため、一定の利益を確保できるのが特徴。
平均年収
JALPAK(420万円/30代前半)
ANAセールス(420万円/30代前半)
3.OTA(ネット販売型)
3つめのネット販売型は、航空会社から購入した航空券(座席)を、店頭で売るかネットで販売するかの違いだ。
店舗型は店を構えているので、その分のコストがかかるが、ネット型は店舗を構えていないので、安い値段でお客さんに販売することが出来る。
これがいわゆる格安航空券というやつだが、店を構えていないので、店舗型と比較して広告費がかかる。
それでも、ネット型の利益率は店舗型に比較して、圧倒的に高く、売上高が低くても業界トップのJTBやHISと同等かあるいはそれ以上の年収となっている。
なお、働き方として大きなポイントは、店舗型は土日祝日も働くのに対し、ネット型は完全週休二日制を採用している会社が多い。
平均年収
Skyticket(451万円/33歳)
エアトリ(507万円/32.9歳)
旅工房(418万円/30.8歳)
コメント
他の業界を見ると、業界最大手と下位で年収が倍以上違うというケースも見受けられるが、旅行業界に限って言えば、平均年収は会社の規模に関わらず、ほぼ横並び。
業界最大手の【60】JTBであっても、圧倒的に待遇が良いという訳ではなく、実は他と大差はない。
当然、就職偏差値ランキングには年収・働き方だけではなく、会社の規模や格も反映している。
次の項目で、そのあたりを見てみよう。
会社の規模(取扱高)&利益ベスト10
会社の規模(取扱高)順のランキングが以下の通り。
※データはコロナ前の数値。
旅行会社取扱額ランキング
左の金額が取扱高で、右が利益を表示。
1位 JTB(取)1兆6,932億円/(利)63億円
2位 H.I.S.(取)5,524億円/(利)121億円
3位 近畿日本ツーリスト(取)4,954億円/(利)25億円
4位 日本旅行(取)4,498億円/(利)9億円
5位 阪急交通社(取)3,699億円/(利)17億円
6位 JALパック(取)1,907億円/(利)23億円
7位 ANAセールス(取)1,807億円/(利)5.1億円
8位 東武トップツアーズ(取)1,353億円/(利)4.2億円
9位 エアトリ(取)1,174億円/(利)12億円 ←OTA
10位 名鉄観光サービス(取)929億円/(利)3.6億円
その他:OTA(ネット系)
旅工房 (売)293億円/3.2億円
Skyticket (売)150億円/5.3億円
トラベルコ(売)49億円/17億円
売上高と取扱高
なお、旅行会社の研究をしていると「取扱高」という言葉が出てくると思う。売上高と取扱高はどう違うのか?
航空会社Aから飛行機の座席を10万円で購入➡それを12万円で販売した場合、取扱高は12万円、売上高は2万円となる。
このような違いがあるので、注意しておこう。
コメント
✔業界最大手のJTBは取扱高で他を圧倒。ハッキリ言って規模が違いすぎる。JTBは富裕層向けの国内プラン充実している他、歴史が長い分、法人とのパイプが強い。法人の例は、高校や大学のプログラムなどを想像して欲しい。学部単位の海外プログラムの手配やパッケージツアーなどの太客が豊富だ。
直近の2019年は、台風19号の影響で60億円分の旅行取り消しが発生した一方で、ラグビーワールドカップやG20大阪会議などがポジティブに働いた!!
✔業界2番手のHISは、海外旅行を強みとしている(売上の8割は海外)格安航空券のパイオニア。JTBと比較してガツガツしているが、特筆すべきはその利益率の高さ。取扱高がJTBの1/3程度なのに対し、利益率は2倍もある。
ただ、好調なのは旅行部門だけで、ハウステンボス及びホテル事業は減収減益だ。旅行部門では北米に力を入れており、現地子会社を次々に買収するなど、勢いを増している。⇒追記:HISは新型コロナウイルスの影響で2020年10月期の業績を下方修正し、赤字転落。
✔特筆すべきは、OTA(ネット販売型)企業の利益率の高さである。売上高と取扱高の比較なので、そのまま比較することは出来ないが、それを差し引いてもネット販売系の利益率は驚異的である。
就職した後の働き方という点では、店舗や法人営業でガツガツ売り込みに行くというよりは、WEB上でいかにお客様に買いやすいシステムを構築するか、低価格で満足度の高いコンテンツを制作し提供するか、どのような広告を打つと認知やトライに効果があるか、という点に力を置くため、WEB関連の知識やマーケティングのノウハウを持っている方が有利だ。
まとめ
色々書いてきたが、まとめると以下の通りだ。
直接お客さんに接客をしながら商品を売りたい人、添乗員などをやりたい人は、JTB・HISなどの店舗型の旅行会社に就職することをお勧めする。
ただし、土日祝日勤務と長時間労働を覚悟して欲しい。
一方で、旅行業界には携わりたいけど、接客というよりはコンテンツ制作などの企画力で勝負したいという人は、OTA(ネット系)に就職するのをお勧めする。
こちらは完全週休二日制だ。
なお、エアライン系(ANAセールス、JALPAK)はOTA寄りとしてみて欲しい。
店舗型 | OTA/ネット販売 | |
売上/取扱高 | 現状維持が精いっぱい/減少傾向↓ | ガンガン成長中↑ |
平均年収/年齢 | 30代前半で450万程度 | 30代前半で450万程度※店舗型よりも高い会社もある |
勤務形態 | 土日祝日も勤務(代休取得) | 完全週休二日制 |
メイン商材 | 富裕層向けツアー商品、海外航空券 | 低価格帯商品、ホテルなどとのセット販売 |
働き方 | 対面なのでコミュニケーション・接客力は必要 | WEBメインなので、企画力やWEBスキルが必要 |
将来性 | じりじりとOTAに侵食されていくだろう | これからも伸び続けるだろう |
以上、店舗型とOTA(ネット系)では働き方が全く違うので、自分の性格や価値観からして、どういう働き方が向いているのか、今一度よく考えたうえで就職することをお勧めする。
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