【2023年版】鉄鋼&非鉄金属業界の就職偏差値ランキングを解説するぞ!!
世界は鉄でできている!!
鉄は地球の重量の1/3を占める天然資源であり、ペットボトルの水よりも安い素材である。
この変幻自在に加工が可能な天然資源(鉄)のおかげで、学校、会社、病院、工場、自動車、飛行機、などありとあらゆるものが出来ている。
なお、タイトルは鉄鋼&非鉄金属となっているが「鉄鋼」だけが独立しているのは、金属生産量の8割は「鉄鋼」が占めるからだ!!
そのため記事の内容は、鉄鋼に偏重してしまうが、非鉄金属も最終製品が異なるだけで、ビジネスモデルの基本は同じだ。
建設業界、自動車業界、造船業界、電機メーカーなどとも関係が密接で、グローバルに活躍できる仕事であることからも、資源系の商社、ゼネコンなどの併願先として志望されることが多い。
鉄鋼・非鉄金属業界の概要
非鉄金属の具体例
アルミニウムなどの軽金属、銅や亜鉛などのベースメタル、レアメタル、レアアース、金銀など
鉄の用途:建設資材、自動車の車体、鉄道のレールなど
非鉄金属:硬貨、携帯、PC、自動車部品など
鉄鋼業界のトレンド
2000年以降、鉄鋼業界の台風の目は、なんといっても「中国」の存在だ!!
2002年の世界の粗鉄生産量は約9億トンだったが、2018年には約18億トンと倍に成長しているが、これは中国の経済成長により、鉄の需要が急速に伸びたのが要因。
実は、インドは第2の中国になるポテンシャルを秘めており、インド市場の攻略が今後のカギになる!!
インド国内のインフラはまだまだ未整備なところが多く、発展の余地が多く残されていることから、今後もまだまだ成長を続けるだろう。
既に業界のトップ企業はインド市場の対策に向けて様々な手を打っている。
以下、2019年の世界の粗鋼生産量 TOP10
出所:GLOBAL NOTE
2020年はコロナショックの影響により、自動車、建材、船舶などありとあらゆる需要が減少することは確実。
当然だが、鉄鋼業界はかなり厳しい年になる。復活のカギは、中国の復活と、世界的な景気がどれだけ迅速に持ち直すかにかかっている。
鉄鋼・非鉄金属のビジネスモデル
業界の仕事は、大きく以下の3段階に分類される。
①川上:鉱山から原料を調達する工程
②川中:鉱石から金属を取り出す工程(製錬)
③川下:地金を加工し、電子部品や自動車用製品にする工程
業界的には、①を川上、②を川中、③を川下と呼んで分類しているが、詰まるところ、完成品の需要(③の川下)があって初めて成り立つ商売だ。
10数年前にリーマンショックが業界を直撃した時には、鉄鋼&非鉄金属の価格が爆下げしたが、当時は中国が伸び盛りの時期でもあったため、すぐに復活した。
しかしながら、中国の成長は既に一巡している!!
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鉄鋼・非鉄金属業界の就職偏差値ランキング
鉄鋼・非鉄金属業界の就職偏差値
【72】 日本製鉄
【69】 JFE
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Sランク:業界トップの2強
【68】三菱マテリアル
【66】神戸製鋼所 JX金属 住友金属鉱山
【65】日立金属
【64】大同特殊鋼 UACJ 三井金属鉱業 DOWA 日本軽金属
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Aランク:就職できれば勝ち組
【56】東京製鐵 日本製鋼所 山陽特殊製鋼 愛知製鋼 共英製鋼 トピー工業 大和工業
【54】古河機械金属 三菱製鋼 日鉄鉱業 東邦亜鉛 日本冶金工業 丸一鋼管 合同製鐵 中山製鋼所 淀川製鋼所 栗本鐵工所
【52】昭和電工 三菱アルミニウム 日本電工 大阪製鐵 東京鐵鋼 モリ工業 大平洋金属 日本金属
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B~Cランク:その他の上場企業達
鉄鋼メーカーの種類
高炉メーカー
高炉で鉄鉱石と石炭から鋼鉄を生産する会社
代表企業:日本製鉄、JFE、神戸製鉄
普通鋼電炉メーカー
鉄くずなどを電気炉で溶かして普通鋼鋼材を製造する会社
※建設用資材などによく使用される。
特殊鋼電炉メーカー
電気炉で鉄鋼の生産を行うが、特殊機能を持たせた高級鉄を製造する会社
※自動車部品、電子部品などに使用される。
代表企業:大同特殊鋼、山陽特殊製鋼、愛知製鋼、三菱製鋼
非鉄金属各社の強み
非鉄金属の各社はそれぞれ強みがある。以下が代表的なもの。
銅 JXTG、 三菱マテリアル、 住友金属鉱山
亜鉛 三井金属鉱業、 東邦亜鉛、 DOWA
アルミニウム UACJ、 日本軽金属、 神戸製鋼、 昭和電工
ニッケル 大平洋金属、 日本冶金工業、 住友金属鉱山、 JXTG
非鉄の中でも、一番重要な資源は「銅」だ!!
銅の使い道は以下を参照して欲しい。
出所:住友金属鉱山 統合報告書2019
また、国別の銅地金生産量は以下の通り。
出所:住友金属鉱山 統合報告書2019
業界の働き方&年収
鉄鋼業界の働き方
文系と理系の技術職で業務内容は大きく異なる。
文系の配属先は、営業、購買、コーポレート(人事、経理、総務など)などで、理系は製造技術、設備技術、研究開発などがメイン。
国内営業・海外営業
例えば、自動車メーカーのクライアントから「こういう製品が欲しい」というリクエストがあれば、それが可能なのか製造部門と調整を行い、納期・数量などに問題がないか総合的な調整を行う。
販売量が巨大な場合は、専門商社を通さず直でやり取りを行う場合もあるが、基本は専門商社を介し、販路を拡大していく。
購買・調達
購買は、世界中から鉄鉱石や石炭などの原料を買い付け、物流も含め、製鉄所に原料を届けるのがミッションだ。
より質の良い原料を安定的に購買するため、海外の資源開発に投資をしたり権益取得などのプロジェクトにも携わる花形の仕事でもある。
製造・設備・研究開発
クライアントの様々なリクエストに応じて、実際に製品を製造しなければならないので、これが一番大変。
出所:日本製鉄 統合報告書2019
営業に同席し、クライアントに説明をする場合もよくある。技術系の人がいると「炭素の含有量を増やして、もっと薄くて軽い部品が作れない?」なんて言われた時に、すぐ専門的な話を出来るので、話はまとまりやすい。
鉄鋼系専門商社との関係
「鉄」は自動車、建設資材、鉄道(車体・レール)など幅広い販路があるので、鉄鋼メーカーが全てを直販するのは正直効率が悪い。
そのため、鉄の専門商社に販売したうえで、専門商社はその先の顧客にマージンを乗せて販売する仕組みになっている。
鉄鋼系の専門商社 日鉄物産、伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワン、阪和興業、JFE商事、神鋼商事
専門商社と鉄鋼メーカーはパートナーの関係ではあるが、立場的には専門商社はお客さんになる。
専門商社は中間業者なのでマージンは低いが、上記の企業の平均年収は、鉄鋼業界よりも高い。
鉄鋼業界の年収
鉄鋼業界の年収は、業界全体で600万円(40歳)となっている。
一見すると低いようにも見えるが、製鉄所は地方にあることが多く、その土地の物価水準が考慮されること、高卒現場作業員の方も多く、年収が低めに算出される。
従い、大卒者であれば700万円~800万円(40歳)が相場で、業界トップクラスになると1,000万円は余裕でこえる。
また、この業界は住宅関係の福利厚生が良く、諸手当が色々と加算されるのので、年収よりも目に見えない恩恵が実は大きい。
就職偏差値上位企業の解説
ここから就職偏差値ランキングの上位企業を解説する。
高炉メーカーは、高炉で鉄鉱石と石炭から鋼鉄を生産する鉄鋼メーカーのことを指す。
国内では、日本製鉄、JFE、神戸製鉄所の3つが代表的な高炉メーカーで、鉄鋼生産量の約4分の3を占める。
一度、高炉を建設したらあとはフル稼働させ、ひたすら鉄鋼を生産することで、コストが抑えられて儲かる仕組みになっている。
が、、、近年は国際競争の激化でコスト競争が熾烈になっており、更なる効率化が求められるようになっている。
そのため、業界再編を加速させ、大量に一括製造をすることでコスト競争に打ち勝つ動きがみられる。
規模でみると、日本製鉄とJFEが圧倒的に巨大で、その次に神戸製鉄所が位置している。
日本製鉄(鉄鋼)
売上高6兆1779億円、当期純利益2511億円で国内1位、世界3位(粗鋼生産量4,922万トン)の会社。
※この業界の「戦闘力」は粗鉄生産量がそれに該当する。
北九州にある八幡製鉄所を源流にもつ、業界内では超名門企業の位置づけ。
2012年に新日本製鐵と住友金属工業が合併し「新日鐵住金」になったが、2019年1月に日新製鉄を完全子会社化し、同年4月に現在の「日本製鉄」に社名を変更した。
その他には、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業、システムソリューション事業がある。
出所:日本製鉄統合報告書2019
2019年12月に、世界1位の鉄鋼メーカーである、アルセロール・ミタル社(売上高8.2兆円)と共同で、インド・エッサール社を5000億ルピー(7700億円)で買収完了。
※出資比率は、ミタルが6割、日本製鉄が4割。
冒頭に述べたように、インド市場は鉄鋼需要が旺盛で、今後の重要市場だ!!
日本製鉄に限らず、国内の鉄鋼需要は減少傾向にあるため、途上国を中心に販路を拡大するのが基本戦略になる。
年収は、612万円(37.2歳)となっているが、この水準に収まる理由は先ほど述べた通り。
JFE(鉄鋼)
売上高3兆8736億円、当期純利益1635億円で国内2位、世界8位(粗鋼生産量2,915万トン)の会社。
2002年に川崎製鉄とNKKが統合して発足した会社で、国内に高炉8基を保有している。
(※)エンジニアリング事業は、廃棄物発電、水処理プラント、橋梁などのインフラ系を構築している。
現時点で鉄鋼事業の国別出荷先は、国内が44%で海外が56%となっている。
海外56%の内訳は、新興国が23%(※)、中国が8%、韓国が7%、北中南米3%となっている。
(※)新興国の筆頭格としてインドがあげられる、JFEはインド市場の対策として、2009年よりJSWスチール(粗鋼生産量1,683万トン)に技術提携を行っている。
年収は1,090万円(平均44.2歳)と一見して高水準に見えるが、ホールディングス年収のため参考まで。
実際は、日本製鉄と同じ年収水準である。
神戸製鋼所 (鉄鋼)
売上高1兆9,718億円、当期純利益359億円の国内第3位(粗鋼生産量688万トン)の高炉メーカーだ。
鉄鋼、アルミ、銅、建機、機械、電力など、金属以外にも多角経営をしているのが特徴。
中国の、鞍鋼(売上高1.6兆円規模)という会社と自動車用鋼板で生産合弁をしている。
年収569万円(平均年齢39.0歳)で、上位2社よりも水準は低め。
三菱マテリアル(非鉄金属)
売上高1兆6629億円、当期純利益13億円で、非鉄金属業界としてランクイン。
2015~2018年の当期純利益は300億円~600億円で推移。
同社は国内に直島精錬所を保有するが、ここでは家電、スマホ、PCの廃棄物から金・銀・銅・パラジウムなどの有価金属を取り出している。
様々な方法で調達した銅、自動車、エアコン、半導体、ロボット、医療機器の部品など加工・販売している。
銅以外にも、多結晶シリコン、アルミニウムの加工・販売にも強みがある。
売上高のうちの海外比率は45%ほどで、アジアはタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インドあたりが強い。
出所:三菱マテリアル 統合報告書2019
こちらも海外で活躍したい人にはお勧めの会社。
年収は717万円(41.2歳)となっている。
JX金属 (非鉄金属)
部門売上高1兆393億円、部門営業利益682億円。
JX金属株式会社は、銅を中心とする非鉄金属製品の製造・販売などを手がける会社。
チリ鉱山の開発・製錬から、先端素材の製造・開発までを一貫して行っている。
銅に圧倒的な強みをもつ、JX金属は、自動車、携帯電話などに必要不可欠な部品を製造、供給している。
IoT 、AI化が進展する社会に欠かせない必須ツールの多くは、この会社がないと成り立たないものも多い。
年収は30代中盤で700万円~800万円ほどで、ボーナスは6ケ月分支給される。
住友金属鉱山(非鉄金属)
売上高9122億円、当期純利益667億円。
主力は銅、金、ニッケル、電子材料などでチリ、米国、ペルーなどの鉱山を開発している。
こちらも精錬、素材加工まで一気通貫で生産を行っている。国内に唯一の鉱山、菱刈金鉱山を所有。
年収は818万円(平均43.7歳)と業界内では高水準だ。
まとめ
こここまで見てきて鉄鋼・非鉄金属業界について、ざっくりご理解いただけたかと思うが、鉄鋼でも非鉄でも海外の鉱山の権益を取得し、それを加工し、部品にする工程は基本的に同じだ。
就職の際は、どの金属や最終製品に強みを持つ会社か、海外勤務をするならどこでしたいか、といった基準で選択するのが良い。
業界自体に、派手さは無いが、総合商社、専門商社、自動車メーカー、電機メーカー、建設業界などありとあらゆる業界と絡みながら仕事が出来るので、活躍の幅は無限大だ。
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この他にも、当ブログでは、自動車、総合商社、専門商社、鉄道、電力など様々な業界を解説した記事が多数掲載されているので、就職活動に活用して欲しい。